コーナー9「日本の歴史すごろく」

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今回のテーマは「すごろく」。さあ、出る目はいくつ?

さてさて、春恒例の「歴史・時代小説特集」。今回は「日本の歴史すごろく」と題しました。

「ふりだし」から「あがり」まで、サイコロの目にしたがってマス目を進む「すごろく」は、子どもから大人まで、皆さんにおなじみのゲームかと思います。今回は、そんな「すごろく」で遊びながら、本を読んで、さらに縄文時代から明治・大正までの日本の歴史を旅する「日本の歴史すごろく」を作成しました。
遊んでから読んでも良し、読んでから遊んでも良し、もちろん遊ばなくて読むだけでも良しと、良いこと尽くめの「日本の歴史すごろく」。

気軽に手に取って、楽しく遊んで頂ければ……と思います。ちなみに「すごろく」の制作者が少し意地悪なので、なかなかあがれない、つまりゴールできない「すごろく」となっています。ご笑納ください。

縄文~平安編

はじまり、はじまりの巻

すごろく(1)
  1. 縄文時代

    『二千七百の夏と冬()』 荻原 浩

    ダム工事現場で、縄文人男性と弥生人女性の人骨を発見!

    ショックを受け、ふりだしに戻る
  2. 弥生時代

    『知られざる弥生ライフ』 譽田 亜紀子

    『知られざる弥生ライフ』表紙
    縄文時代の終わり頃、九州北部では大陸から来た人々が米づくりをしていました。大陸の人々はお米を炊いて、もともと暮らしていた縄文人に「食べてみてよー」とおすそ分け。恐る恐る口にした縄文人は、美味しさビックリ!
    ……これが、お米と日本人の出会いだと考えられているそうです。「食わず嫌い」しなかったご先祖様に感謝ですね(モグモグ)~。『知られざる縄文ライフ』とあわせてオススメです。
    炊き方にこだわり、1回休み
  3. 大和時代

    『空色勾玉』 荻原 規子

    ステキな勾玉、貰ったよ!

    やったぁ! 2マス進む
  4. 飛鳥時代

    日出処の天子(1)~(7)』 山岸 凉子

    厩戸皇子に話を聞いてもらう

    聞いてもらっただけ…… 3マス戻る
  5. 奈良時代

    『与楽の飯』 澤田 瞳子

    東大寺造仏所の現場作業員となる

    炊屋で出るごはんが楽しみ♪ 3マス進む
  6. 平安時代

    『牛車で行こう!平安貴族と乗り物文化 京樂 真帆子

    『牛車で行こう!』表紙
    はじめてのカーライフにまつわる心配事やお悩みは、1000年前も同じ。ドライブ前の点検、車や牛選びのポイント、駐車する場所の探し方、上座と下座をはじめとする牛車内でのマナーについて、詳しく教えてくれるのがこの本です。一家に一冊欲しいくらいですね~。
    ちなみに、すごろくで「牛車で苦手な人と乗り合わる」不運に見舞われたのは、かの紫式部。『紫式部日記』の中に、この場面があります。
    ストレスが爆発! 2マス戻る

鎌倉~室町編

鎌倉殿もサバイバルの巻

すごろく(2)
  1. 平家滅亡

    『源平六花撰』 奥山 景布子

    『源平六花撰』表紙
    ご存知、津島市出身の作家・奥山景布子先生のデビュー作。源氏・平家にまつわる6人の女性を主人公にした短編集です。
    源平合戦に巻き込まれ、深く傷ついた女性たちが、物語の最後に力強く前を向く──。その時の彼女たちの凛とした顔が、あなたの目の前にもきっと浮かぶはず。歴史小説は、現代を生きる私たちの陸続きに存在し、だからこそ物語は読まれ続けるのだと思います。
    驕る平家は久しからず 2マス戻る
  2. 鎌倉文化

    『マンガでわかる天才仏師!運慶』 田中 ひろみ

    源頼朝、「慶派推し」に!

    東国で仏像が多く造られる 3マス進む
  3. 元寇

    『異国合戦 蒙古襲来異聞 岩井 三四二

    蒙古襲来!!

    神風(?)が吹いて日本が勝利! 2マス進む
  4. 武家社会

    『北条義時 小説集』 海音寺 潮五郎ほか

    大河ドラマの主役に選ばれる!

    「番宣」で超多忙となる…… 1マス戻る
  5. 東山文化

    『銀閣の人』 門井 慶喜

    足利義政、東山の別荘にひきこもる

    「わび」「さび」を存分に味わうべく、1回休み
  6. 戦国の世へ

    『室町は今日もハードボイルド』 清水 克行

    『室町は今日もハードボイルド』表紙
    本によると、室町時代とは「やられたらやり返す、場合によっては、やられてなくてもやり返す」が美徳とされる時代。登場するのは、寺院が年貢を横領した武士をガチで呪う(お寺なのに!)話や、浮気された妻が新しい女の家を叩き壊す話など……うーん、こわいっ!
    しかし当然ながら、当時には当時の考えがあり、当時の「正義」もあったのでしょう。著者は、一昨年制作されて話題となったNHK「光秀のスマホ」の時代考証も担当されています。
    心がぽっきり折れ、ふりだしに戻る

戦国時代編

主役だらけで大変?の巻

すごろく(3)
  1. 信長

    『信長さまはもういない』 谷津 矢車

    わーい!信長さまから「秘伝書」と犬山城をいただいたよ

    本能寺の変!……これからどうしよう? 2マス戻る
  2. 政宗

    『戦国武将を癒やした温泉 名湯・隠し湯で歴史ロマンにつかる 上永 哲矢

    伊達政宗、落馬して骨折!

    温泉でのんびり心癒される♪ 1回休み
  3. 光秀

    『妖しい戦国 乱世の怪談・奇談 東郷 隆

    秀吉に追われる光秀、己の幻を見る

    気づいたら竹槍が刺さっていた…… ふりだしに戻る
  4. 秀吉

    『愚か者の城』 矢野 隆

    『愚か者の城』表紙
    すごろくに登場する「あの上司」とは、もちろん織田信長のこと。
    作中で、秀吉は頭を床に叩き付けられ→またがられ→頬を叩かれ→「迷う暇があるなら走れ。御主は走る以外に能のない男であろうが」と言われます。現代から見ると、とんでもない「パワハラ」でしょうが、その場面で秀吉は「自分はなににむかって走るのか?」と自らに問います。さて、秀吉が見つけたゴールとは?是非、本にてご確認下さい。
    いっぱい走ったら天下人になった! 3マス進む
  5. 清正

    『戦国武将の土木工事』 豊田 隆雄

    『戦国武将の土木工事』表紙
    津島市ゆかりの戦国武将・加藤清正は、「城づくり名人」として知られています。城だけじゃなく、名古屋城や江戸城の石垣も清正の手によるもの。うーん、隈研吾か安藤忠雄か……ではなく、当時の城や石垣は実戦を想定し、様々な防衛機能を備えた「要塞」。詳しくは、本をお読み下さい。
    ちなみに、熊本城は270年後の西南戦争では西郷軍をはね返し、「おいどんは官軍に負けたのではない、清正公に負けたのだ」と西郷に言わせたとか。凄っ!
    忍者も登れない鉄壁ぶりが評判に 2マス進む
  6. 家康

    『将軍家康の女影武者』 近衛 龍春

    女中・卯乃、湯殿に現れた刺客から家康を救う

    家康の側室に迎えられる 1マス進む

江戸時代編

禍福は糾える縄の如しの巻

すごろく(4)
  1. グルメ

    『天涯の海 酢屋三代の物語 車 浮代

    『天涯の海』表紙
    すごろくにある「知多郡半田村の酒造りの家」とは今や「ポン酢」「納豆」でも知られる「ミツカン」創業家のこと。世界に誇るジャパニーズ・フード「江戸前寿司」誕生の裏には、酒粕を使った「粕酢」の発明がありました。
    この小説では、「粕酢」に挑んだ三人の又左衛門の挑戦と苦闘の日々を熱く描きます。いやぁ、ゼロからの「ものづくり」って、いつの時代もドキドキするし、応援したくなりますよね~。
    粕酢醸造に成功、江戸前寿司が誕生 2マス進む
  2. 飢饉

    『いも殿さま』 土橋 章宏

    スイーツ好きの代官、サツマイモ栽培を奨励

    領民を飢饉から救う 3マス進む
  3. 夫婦

    『わかれ縁』 西條 奈加

    金にも女にもだらしない夫に愛想をつかす

    「三下り半」を書いてくれない ふりだしに戻る
  4. 美容

    『ウチの江戸美人』 いずみ 朔庵

    江戸時代から来た「江戸美人ちゃん」とルームシェア

    ガールズトークに時を忘れて1回休み
  5. 災厄

    『パンデミックvs.江戸幕府』 鈴木 浩三

    人口過密都市・江戸をパンデミックが襲う!

    「御救銭」をスピード給付 1マス進む
  6. 園芸

    『本日も晴天なり 鉄砲同心つつじ暦 梶 よう子

    『本日も晴天なり』表紙
    代々、江戸城下・大久保の地を守ってきた「鉄砲同心」。戦時であれば、武功をあげて立身することも夢ではないのですが、平時の世では、将軍の警護が主な役目。禄高が上がる見込みはありません。
    そこで、硝石、硫黄、木炭など火薬の原料を、つつじの肥料に転用した「つつじ栽培」の内職に励みます。すると、季節になると大勢の花見客で賑わう観光名所に!……銃ではなく、ハサミを手にしたお武家一家の奮闘が賑やかに描かれます。
    つつじ園が観光名所に! 2マス進む

幕末編

時代は動く、人も動くの巻

すごろく(5)
  1. 大政奉還

    『残り者』 朝井 まかて

    徳川家、江戸城の引き渡しを命じられる

    5人の女中、江戸城にとどまる 1回休み
  2. ロマンス

    『荒城に白百合ありて』 須賀 しのぶ

    会津の少女、薩摩藩士と恋に落ちる

    悲恋に涙…… ふりだしに戻る
  3. 改革

    『かちがらす 幕末を読みきった男 植松 三十里

    『かちがらす』表紙
    「薩長土肥」の「肥」を率い、「肥前の妖怪」、「佐賀の日和見」とも呼ばれた肥前佐賀藩主・鍋島直正。16歳で家督を継ぎ藩主となりますが、藩は多額の借金を抱えていました(ま、当時は日本中のほとんどの藩が財政難のようでしたが……)。財政難に苦しむ藩をさらに「城の火事」という不運が襲います。
    どん底まで落ちた今、もう誰も文句は言わない!……不運を好機に変えるチャンスととらえ、藩政改革に挑んだ直正の挑戦の日々を熱く描く小説です。
    火事をきっかけに藩政改革に挑む 2マス進む
  4. 外交

    『万波を翔る』 木内 昇

    『万波を翔る』表紙
    「幕臣・渋沢篤太夫」とは、「渋沢栄一」のこと。ご存知、昨年の大河ドラマの主役、そして2024年度に登場する新一万円札の顔です。作中には、帳面を持った渋沢が主人公に金の談判をする場面が登場。「これからの世は、こういう男が伸(の)していくのかもしれん」という主人公の述懐は大当たりとなりますね。
    あ、書き忘れていました……小説の主人公は幕府の外交局に勤めることになった田辺太一。先が見えねぇものほど、面白ぇことはねぇのだ……そう語る彼もまた、とても魅力的な人物です。
    幕臣・渋沢篤太夫の仕事ぶりに感心 1マス進む
  5. 娯楽

    『ぼくせん 幕末相撲異聞 木村 忠啓

    勧進相撲で禁じ手を使い、角界から追放される

    一転、格闘技の新団体を旗揚げ 2マス進む
  6. 最新技術

    『レンズが撮らえた幕末維新の日本』

    人生初の写真撮影に挑む

    うぅ、緊張する…… 1マス戻る

明治、大正編

人生いろいろ、双六いろいろの巻

すごろく(6)
  1. 洋食

    『拙者は食えん! サムライ洋食事始 熊田 忠雄

    パン牛肉の焼もの様々、ことごと感嘆なしたなり……

    頑張って食べ続けたら慣れた! 2マス進む
  2. 事件

    『サーベル警視庁』 今野 敏

    帝国大学講師の刺殺体を発見!!

    警視庁第一部第一課が出勤 1マス進む
  3. 恋愛

    『命みじかし恋せよ乙女 大正恋愛事件簿 中村 圭子

    「恋愛事件」が頻発する

    スキャンダルのため、活動を自粛 1回休む
  4. 図書館

    『夢見る帝国図書館』 中島 京子

    『夢見る帝国図書館』表紙
    上野の図書館の歴史と、本と図書館を愛する喜和子さんの半生が交互に綴られる小説。「お金がない。お金がもらえない。書棚が買えない。蔵書が置けない。図書館の歴史はね、金欠の歴史と言っても過言ではないわね」……かつて図書館に「半分住んでいたみたいなもの」と語る喜和子さんの言葉です。
    設計した建物の4分の1しか建てられず、戦争が起こるたびに予算を削られる……あ、金欠の話ばかりではなく、図書館の奮闘ぶりもちゃんと描かれていますよ!すごろくにある「ビブリオテーキ」は、福沢諭吉の『西洋事情』に記述があります。
    予算削減と書庫不足に泣かされ続け、2マス戻る
  5. 博物館

    『博覧男爵』 志川 節子

    『博覧男爵』表紙
    すごろくの「パリ万博」とは、1867年のパリ万国博覧会のこと。
    主人公・田中芳男は、自ら採集した「虫の標本」などを携え、幕府物産方の一員として使節団に参加。パリで、諸外国と比べて近代化が著しく遅れていることを痛感し、博物学を基礎とする総合施設の設立を夢見ます。信州・飯田で生まれ、子どもの頃から石や虫、薬草などの「自然」をこよなく愛し、後に「日本博物館の父」と呼ばれることとなる芳男。大好きなものを見つけ、愛しぬいて、生涯の仕事にする……そんなキラキラと眩しい生涯の物語です。
    昆虫採集の標本をパリ万博に出品 2マス進む
  6. 文学

    『ノボさん 小説正岡子規と夏目漱石 伊集院 静

    ノボさん、図書館の談話室で夏目金之助と出会う

    生涯の友となる 3マス進む

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