賞タイムへようこそ。

「文学賞」と聞いて、まず思い浮かぶ賞といえば、芥川賞、直木賞、本屋大賞……でしょうか?実はあまり知られていないのですが、日本にはこの3賞以外に200以上の文学賞があるといわれています。
今回は、多彩な文学賞受賞作品を過去数年にさかのぼって集めました。
今年大活躍した、あのメジャーリーガーにあやかって「賞タイム」と名付けてご紹介します。傑作の数々をどうぞお楽しみ下さい。
Ⅰ.文学賞・ビッグ3
毎年、受賞の決定がニュースで大きく取り上げられる文学賞といえば、「直木賞」、「芥川賞」、「本屋大賞」の3つの賞です。
今回は”ビッグ3″と題して、近年の作品を集めてみました。
直木賞
正式名称は「直木三十五賞」。文藝春秋の創業者・菊池寛が、友人である直木三十五の名を記念し、芥川賞と同時に昭和10年に制定。
新進・中堅作家によるエンターテインメント作品の単行本(長編小説もしくは短編集)の中から、最も優秀な作品に贈られる賞。
| 受賞年 | 受賞作 | 受賞者 |
|---|---|---|
| 2017上 | 『月の満ち欠け』 | 佐藤 正午 |
| 2017下 | 『銀河鉄道の父』 | 門井 慶喜 |
| 2018上 | 『ファーストラヴ』 | 島本 理生 |
| 2018下 | 『宝島』 | 真藤 順丈 |
| 2019上 | 『渦 妹背山婦女庭訓魂結び』 | 大島 真寿美 |
| 2019下 | 『熱源』 | 川越 宗一 |
| 2020上 | 『少年と犬』 | 馳 星周 |
| 2020下 | 『心淋し川』 | 西條 奈加 |
| 2021上 | 『星落ちて、なお』 | 澤田 瞳子 |
| 『テスカトリポカ』 | 佐藤 究 |
芥川賞
正式名称は「芥川龍之介賞」。文藝春秋の創業者・菊池寛が、友人である芥川龍之介の名を記念し、直木賞と同時に昭和10年に制定。
雑誌(同人雑誌を含む)に発表された、新進作家による純文学の中・短編作品の中から、最も優秀な作品に贈られる賞。
| 受賞年 | 受賞作 | 受賞者 |
|---|---|---|
| 2017上 | 『影裏』 | 沼田 真佑 |
| 2017下 | 『おらおらでひとりいぐも』 | 若竹 千佐子 |
| 『百年泥』 | 石井 遊佳 | |
| 2018上 | 『送り火』 | 高橋 弘希 |
| 2018下 | 『1R1分34秒』 | 町屋 良平 |
| 『ニムロッド』 | 上田 岳弘 | |
| 2019上 | 『むらさきのスカートの女』 | 今村 夏 |
| 2019下 | 『背高泡立草』 | 古川 真人 |
| 2020上 | 『破局』 | 遠野 遥 |
| 『首里の馬』 | 高山 羽根子 | |
| 2020下 | 『推し、燃ゆ』 | 宇佐見 りん |
| 2021上 | 『彼岸花が咲く島』 | 李 琴峰 |
| 『貝に続く場所にて』 | 石沢 麻依 |
本屋大賞
正式名称は「全国書店員が選んだ いちばん!売りたい本 本屋大賞」。書店員の投票のみで決定する賞で、受賞作がベストセラーとなることも多い。
| 2019 | 1位 | 『そして、バトンは渡された』 瀬尾 まいこ |
| 2位 | 『ひと』 小野寺 史宜 | |
| 3位 | 『ベルリンは晴れているか』 深緑 野分 | |
| 翻訳 | (未所蔵)『カササギ殺人事件』 アンソニー・ホロヴィッツ | |
| 発掘 | 『サスツルギの亡霊』 神山 裕右 | |
| NF | 『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』 ブレイディみかこ | |
| 2020 | 1位 | 『流浪の月』 凪良 ゆう |
| 2位 | 『ライオンのおやつ』 小川 糸 | |
| 3位 | 『線は、僕を描く』 砥上 裕將 | |
| 翻訳 | (未所蔵)『アーモンド』 ソン・ウォンピョン | |
| 発掘 | (未所蔵)『無理難題が多すぎる』 土屋 賢二 | |
| NF | 『エンド・オブ・ライフ』 佐々 涼子 | |
| 2021 | 1位 | 『52ヘルツのクジラたち』 町田 そのこ |
| 2位 | 『お探し物は図書室まで』 青山 美智子 | |
| 3位 | 『犬がいた季節』 伊吹 有喜 | |
| 翻訳 | 『ザリガニの鳴くところ』 ディーリア・オーエンズ | |
| 発掘 | 『「ない仕事」の作り方』 みうら じゅん | |
| NF | (未所蔵)『海をあげる』 上間 陽子 |
Ⅱ.文豪×文学賞
毎年話題となる”文学賞・ビッグ3″に比べると知名度は低いものの、日本の文壇にはまだまだ沢山の文学賞があります。
ここでは、文豪の名を冠した文学賞を過去5年に遡って集めました。文豪についても少しだけご紹介します。
吉川英治文学賞
『宮本武蔵』、『新・平家物語』などの大衆小説で「国民文学作家」と親しまれた。
| 受賞年 | 受賞作 | 受賞者 |
|---|---|---|
| 2017 | (未所蔵)『大雪物語』 | 藤田 宜永 |
| 2018 | 『守教』(上・下) | 帚木蓬生 |
| 2019 | 『鏡の背面』 | 篠田 節子 |
| 2020 | 該当作なし | – |
| 2021 | 『風よあらしよ』 | 村山 由佳 |
柴田錬三郎賞
『眠狂四郎無頼控』などが人気を博し、剣豪小説の一大ブームを巻き起こした。
| 受賞年 | 受賞作 | 受賞者 |
|---|---|---|
| 2017 | 『日蝕えつきる』 | 花村 萬月 |
| 2018 | 『雪の階』 | 奥泉 光 |
| 2019 | 『彼女は頭が悪いから』 | 姫野 カオルコ |
| 2020 | 『逆ソクラテス』 | 伊坂 幸太郎 |
| 2021 | 『類』 | 朝井 まかて |
| 『正欲』 | 朝井 リョウ |
三島由紀夫賞
『仮面の告白』、『金閣寺』、『潮騒』などで知られる戦後日本を代表する作家。
| 受賞年 | 受賞作 | 受賞者 |
|---|---|---|
| 2017 | 『カブールの園』 | 宮内 悠介 |
| 2018 | 『無限の玄』 | 古谷田 奈月 |
| 2019 | 『いかれころ』 | 三国 美千子 |
| 2020 | 『かか』 | 宇佐見 りん |
| 2021 | 『旅する練習』 | 乗代 雄介 |
山本周五郎文学賞
『樅ノ木は残った』、『さぶ』など、人情味あふれる時代小説の名手として人気を博す。
| 受賞年 | 受賞作 | 受賞者 |
|---|---|---|
| 2017 | 『明るい夜に出かけて』 | 佐藤 多佳子 |
| 2018 | (未所蔵)『ゲームの王国』 | 小川 哲 |
| 2019 | 『平場の月』 | 朝倉 かすみ |
| 2020 | 『ザ・ロイヤルファミリー』 | 早見 和真 |
| 2021 | 『テスカトリポカ』 | 佐藤 究 |
新田次郎文学賞
『八甲田山死の彷徨』、『孤高の人』など、人間の本質を掘り下げた作品で知られる。
| 受賞年 | 受賞作 | 受賞者 |
|---|---|---|
| 2017 | 『リーチ先生』 | 原田 マハ |
| 2018 | 『葵の残葉』 | 奥山 景布子 |
| 2019 | 『月まで三キロ』 | 伊与原 新 |
| 2020 | 『土に贖う』 | 早見 和真 |
| 2021 | 『商う狼 江戸商人杉本茂十郎』 | 永井 紗耶子 |
大宅壮一ノンフィクション賞
時代の風潮を裁断する評論で長くマスコミ界で活躍したジャーナリスト。
| 受賞年 | 受賞作 | 受賞者 |
|---|---|---|
| 2017 | 『小倉昌男 祈りと経営』 | 森 健 |
| 2018 | 『悪だくみ』 | 森 功 |
| 2019 | 『選べなかった命』 | 河合 香織 |
| (未所蔵)『八九六四』 | 安田 峰俊 | |
| 2020 | 『チョンキンマンションのボスは知っている』 | 小川 さやか |
| 2021 | 『女帝小池百合子』 | 石井 妙子 |
Ⅲ.文学賞を楽しむ。
文学賞の数は、10年前と比べて1割以上増えたといわれています。背景にあるのは、本の売上が下がっていること。
文学賞で話題を集め、本に興味を持つ人を増やす……
そんな戦略もあるそうですが、面白い本と出会うきっかけとして「文学賞」を楽しんでみませんか?
高校生直木賞
“若者目線” で大人も楽しむ。
“読書教育”の一環として、フランスで行われている「高校生ゴンクール賞」の日本版を目指し、2014年に創設。全国の高校生たちが議論を戦わせ、直近一年間の直木賞候補作から受賞作を決定する。近年、SNSでも話題となる。
| 受賞年 | 受賞作 | 受賞者 |
|---|---|---|
| 2017 | 『また、桜の国で』 | 須賀 しのぶ |
| 2018 | 『くちなし』 | 彩瀬 まる |
| 2019 | 『熱帯』 | 森見 登美彦 |
| 2020 | 『渦 妹背山婦女庭訓魂結び』 | 大島 真寿美 |
| 2021 | 『雲を紡ぐ』 | 伊吹 有喜 |
| 『オルタネート』 | 加藤 シゲアキ |
泉鏡花文学賞
“ご当地文学賞” を楽しむ。
泉鏡花生誕100周年を記念し、1973年に出身地の金沢市で制定。泉鏡花の文学世界に通ずるロマンの薫り高い作品を選定。
ご当地文学賞(地方自治体主催の文学賞)としては、全国に先駆けた存在として知られる。
| 受賞年 | 受賞作 | 受賞者 |
|---|---|---|
| 2017 | 『最愛の子ども』 | 松浦 理英子 |
| 2018 | 『飛ぶ孔雀』 | 山尾 悠子 |
| 2019 | 『ひよこ太陽』 | 田中 慎弥 |
| 2020 | 『業平 小説伊勢物語』 | 高樹 のぶ子 |
| 2021 | 『姉の島』 | 村田 喜代子 |
新井賞
“推し” の一冊を楽しむ。
“カリスマ書店員”として知られる新井見枝香さんが、一人で勝手に”推したい”と思う本を選定し、芥川・直木賞と同じ日に発表する異色の文学賞。
本好きの心をくすぐる一冊と出会える、と人気を集めている。
| 受賞年 | 受賞作 | 受賞者 |
|---|---|---|
| 2018上 | 『ののはな通信』 | 三浦 しをん |
| 2019上 | (未所蔵)『ダルちゃん』 | はるな 檸檬 |
| 『三つ編み』 | レティシア・コロンバニ | |
| 2019下 | 『ライオンのおやつ』 | 小川 糸 |
| 2020上 | 『彼女たちの部屋』 | レティシア・コロンバニ |
| 2020下 | 『俺と師匠とブルーボーイとストリッパー』 | 桜木 紫乃 |
新書大賞
“ジャンル特化” を楽しむ。
1年間に刊行されたすべての新書の中から、有識者、書店員、各社新書編集部(自社作品の投票は不可)、新聞記者らの投票をもとに、その年の「最高の一冊」を選出。「新書」というジャンルに特化した文学賞として注目される。
| 受賞年 | 受賞作 | 受賞者 |
|---|---|---|
| 2017 | 『言ってはいけない』 | 橘 玲 |
| 2018 | 『バッタを倒しにアフリカへ』(児童書版) | 前野ウルド浩太郎 |
| 2019 | 『日本軍兵士』 | 吉田 裕 |
| 2020 | 『独ソ戦』 | 大木 毅 |
| 2021 | 『人新世の「資本論」』 | 斎藤 幸平 |
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