コーナー8「賞タイムへようこそ。」

賞タイムへようこそ。

コーナー8「賞タイムへようこそ。」

「文学賞」と聞いて、まず思い浮かぶ賞といえば、芥川賞、直木賞、本屋大賞……でしょうか?実はあまり知られていないのですが、日本にはこの3賞以外に200以上の文学賞があるといわれています。

今回は、多彩な文学賞受賞作品を過去数年にさかのぼって集めました。
今年大活躍した、あのメジャーリーガーにあやかって「賞タイム」と名付けてご紹介します。傑作の数々をどうぞお楽しみ下さい。

  1. Ⅰ. 文学賞・ビッグ3
  2. Ⅱ. 文豪×文学賞
  3. Ⅲ. 文学賞を楽しむ。

Ⅰ.文学賞・ビッグ3

毎年、受賞の決定がニュースで大きく取り上げられる文学賞といえば、「直木賞」、「芥川賞」、「本屋大賞」の3つの賞です。
今回は”ビッグ3″と題して、近年の作品を集めてみました。

直木賞

正式名称は「直木三十五賞」。文藝春秋の創業者・菊池寛が、友人である直木三十五の名を記念し、芥川賞と同時に昭和10年に制定。
新進・中堅作家によるエンターテインメント作品の単行本(長編小説もしくは短編集)の中から、最も優秀な作品に贈られる賞。

受賞年 受賞作 受賞者
2017上 『月の満ち欠け』 佐藤 正午
2017下 『銀河鉄道の父』 門井 慶喜
2018上 『ファーストラヴ』 島本 理生
2018下 『宝島』 真藤 順丈
2019上 『渦 妹背山婦女庭訓魂結び 大島 真寿美
2019下 『熱源』 川越 宗一
2020上 『少年と犬』 馳 星周
2020下 『心淋し川』 西條 奈加
2021上 『星落ちて、なお』 澤田 瞳子
『テスカトリポカ』 佐藤 究

芥川賞

正式名称は「芥川龍之介賞」。文藝春秋の創業者・菊池寛が、友人である芥川龍之介の名を記念し、直木賞と同時に昭和10年に制定。
雑誌(同人雑誌を含む)に発表された、新進作家による純文学の中・短編作品の中から、最も優秀な作品に贈られる賞。

受賞年 受賞作 受賞者
2017上 『影裏』 沼田 真佑
2017下 『おらおらでひとりいぐも』 若竹 千佐子
『百年泥』 石井 遊佳
2018上 『送り火』 高橋 弘希
2018下 『1R1分34秒』 町屋 良平
『ニムロッド』 上田 岳弘
2019上 『むらさきのスカートの女』 今村 夏
2019下 『背高泡立草』 古川 真人
2020上 『破局』 遠野 遥
『首里の馬』 高山 羽根子
2020下 『推し、燃ゆ』 宇佐見 りん
2021上 『彼岸花が咲く島』 李 琴峰
『貝に続く場所にて』 石沢 麻依

本屋大賞

正式名称は「全国書店員が選んだ いちばん!売りたい本 本屋大賞」。書店員の投票のみで決定する賞で、受賞作がベストセラーとなることも多い。

2019 1位 『そして、バトンは渡された』 瀬尾 まいこ
2位 『ひと』 小野寺 史宜
3位 『ベルリンは晴れているか』 深緑 野分
翻訳 (未所蔵)『カササギ殺人事件』 アンソニー・ホロヴィッツ
発掘 『サスツルギの亡霊』 神山 裕右
NF 『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』 ブレイディみかこ
2020 1位 『流浪の月』 凪良 ゆう
2位 『ライオンのおやつ』 小川 糸
3位 『線は、僕を描く』 砥上 裕將
翻訳 (未所蔵)『アーモンド』 ソン・ウォンピョン
発掘 (未所蔵)『無理難題が多すぎる』 土屋 賢二
NF 『エンド・オブ・ライフ』 佐々 涼子
2021 1位 『52ヘルツのクジラたち』 町田 そのこ
2位 『お探し物は図書室まで』 青山 美智子
3位 『犬がいた季節』 伊吹 有喜
翻訳 『ザリガニの鳴くところ』 ディーリア・オーエンズ
発掘 『「ない仕事」の作り方』 みうら じゅん
NF (未所蔵)『海をあげる』 上間 陽子

Ⅱ.文豪×文学賞

毎年話題となる”文学賞・ビッグ3″に比べると知名度は低いものの、日本の文壇にはまだまだ沢山の文学賞があります。
ここでは、文豪の名を冠した文学賞を過去5年に遡って集めました。文豪についても少しだけご紹介します。

吉川英治文学賞

『宮本武蔵』、『新・平家物語』などの大衆小説で「国民文学作家」と親しまれた。

受賞年 受賞作 受賞者
2017 (未所蔵)『大雪物語』 藤田 宜永
2018 『守教』( 帚木蓬生
2019 『鏡の背面』 篠田 節子
2020 該当作なし
2021 『風よあらしよ』 村山 由佳

柴田錬三郎賞

『眠狂四郎無頼控』などが人気を博し、剣豪小説の一大ブームを巻き起こした。

受賞年 受賞作 受賞者
2017 『日蝕えつきる』 花村 萬月
2018 『雪の階』 奥泉 光
2019 『彼女は頭が悪いから』 姫野 カオルコ
2020 『逆ソクラテス』 伊坂 幸太郎
2021 『類』 朝井 まかて
『正欲』 朝井 リョウ

三島由紀夫賞

『仮面の告白』、『金閣寺』、『潮騒』などで知られる戦後日本を代表する作家。

受賞年 受賞作 受賞者
2017 『カブールの園』 宮内 悠介
2018 『無限の玄』 古谷田 奈月
2019 『いかれころ』 三国 美千子
2020 『かか』 宇佐見 りん
2021 『旅する練習』 乗代 雄介

山本周五郎文学賞

『樅ノ木は残った』、『さぶ』など、人情味あふれる時代小説の名手として人気を博す。

受賞年 受賞作 受賞者
2017 『明るい夜に出かけて』 佐藤 多佳子
2018 (未所蔵)『ゲームの王国』 小川 哲
2019 『平場の月』 朝倉 かすみ
2020 『ザ・ロイヤルファミリー』 早見 和真
2021 『テスカトリポカ』 佐藤 究

新田次郎文学賞

『八甲田山死の彷徨』、『孤高の人』など、人間の本質を掘り下げた作品で知られる。

受賞年 受賞作 受賞者
2017 『リーチ先生』 原田 マハ
2018 『葵の残葉』 奥山 景布子
2019 『月まで三キロ』 伊与原 新
2020 『土に贖う』 早見 和真
2021 『商う狼 江戸商人杉本茂十郎』 永井 紗耶子

大宅壮一ノンフィクション賞

時代の風潮を裁断する評論で長くマスコミ界で活躍したジャーナリスト。

受賞年 受賞作 受賞者
2017 『小倉昌男 祈りと経営』 森 健
2018 『悪だくみ』 森 功
2019 『選べなかった命』 河合 香織
(未所蔵)『八九六四』 安田 峰俊
2020 『チョンキンマンションのボスは知っている』 小川 さやか
2021 『女帝小池百合子』 石井 妙子
吉川英治文学新人賞、谷崎潤一郎賞、司馬遼太郎賞、大佛次郎賞、開高健ノンフィクション賞も展示中。

Ⅲ.文学賞を楽しむ。

文学賞の数は、10年前と比べて1割以上増えたといわれています。背景にあるのは、本の売上が下がっていること。
文学賞で話題を集め、本に興味を持つ人を増やす……
そんな戦略もあるそうですが、面白い本と出会うきっかけとして「文学賞」を楽しんでみませんか?

高校生直木賞

“若者目線” で大人も楽しむ。

“読書教育”の一環として、フランスで行われている「高校生ゴンクール賞」の日本版を目指し、2014年に創設。全国の高校生たちが議論を戦わせ、直近一年間の直木賞候補作から受賞作を決定する。近年、SNSでも話題となる。

受賞年 受賞作 受賞者
2017 『また、桜の国で』 須賀 しのぶ
2018 『くちなし』 彩瀬 まる
2019 『熱帯』 森見 登美彦
2020 『渦 妹背山婦女庭訓魂結び 大島 真寿美
2021 『雲を紡ぐ』 伊吹 有喜
『オルタネート』 加藤 シゲアキ

泉鏡花文学賞

“ご当地文学賞” を楽しむ。

泉鏡花生誕100周年を記念し、1973年に出身地の金沢市で制定。泉鏡花の文学世界に通ずるロマンの薫り高い作品を選定。
ご当地文学賞(地方自治体主催の文学賞)としては、全国に先駆けた存在として知られる。

受賞年 受賞作 受賞者
2017 『最愛の子ども』 松浦 理英子
2018 『飛ぶ孔雀』 山尾 悠子
2019 『ひよこ太陽』 田中 慎弥
2020 『業平 小説伊勢物語』 高樹 のぶ子
2021 『姉の島』 村田 喜代子

新井賞

“推し” の一冊を楽しむ。

“カリスマ書店員”として知られる新井見枝香さんが、一人で勝手に”推したい”と思う本を選定し、芥川・直木賞と同じ日に発表する異色の文学賞。
本好きの心をくすぐる一冊と出会える、と人気を集めている。

受賞年 受賞作 受賞者
2018上 『ののはな通信』 三浦 しをん
2019上 (未所蔵)『ダルちゃん』 はるな 檸檬
『三つ編み』 レティシア・コロンバニ
2019下 『ライオンのおやつ』 小川 糸
2020上 『彼女たちの部屋』 レティシア・コロンバニ
2020下 『俺と師匠とブルーボーイとストリッパー』 桜木 紫乃

新書大賞

“ジャンル特化” を楽しむ。

1年間に刊行されたすべての新書の中から、有識者、書店員、各社新書編集部(自社作品の投票は不可)、新聞記者らの投票をもとに、その年の「最高の一冊」を選出。「新書」というジャンルに特化した文学賞として注目される。

受賞年 受賞作 受賞者
2017 『言ってはいけない』 橘 玲
2018 『バッタを倒しにアフリカへ』(児童書版) 前野ウルド浩太郎
2019 『日本軍兵士』 吉田 裕
2020 『独ソ戦』 大木 毅
2021 『人新世の「資本論」』 斎藤 幸平
野間文芸賞、ビジネス書大賞、このミステリーがすごい!、日本推理作家協会賞、中山義秀文学賞、島清恋愛文学賞も展示中。

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展開期間:2021年12月10日~2022年02月22日