「サラメシ」取材裏話

「サラメシ」取材の裏話をご紹介

現在、フロア中央のコーナー8で展開しています「サラホン」
このタイトル、NHKの人気番組「サラメシ」にあやかっているのですが、なんとその「サラメシ」で本館が取材・放送されることに!

取材に至るまでの経緯や取材当日の様子などを、スタッフ(き)の日誌よりご紹介します。

「サラホン」コーナー開設当初

3月22日(水)

新コーナー「サラホン」がスタート。働く人や仕事についての本を集めたコーナー。お仕事、会社などをテーマや舞台とする本を集めてみた。コーナータイトル名も、タイトル看板のデザインも、NHK「サラメシ」をイメージしたもの。「サラメシ」と同じように、みなさんに親しまれ、楽しんでいただけるコーナーとなりますように。

ひとまず職業別に本の紹介の展示のみ行い、「仕事について考える本」は準備が出来次第出そうと思う。ほとんど構想は練っていなかったが、意外にも作業がサクサクと進み、1週間ぐらい後には準備が終了してコーナー完成。少し展示スペースが空いたのは気になるが、まぁ良しとしよう。

タイトル看板を見た利用者の方から、「あれはどういう意味ですか?」という問い合わせをしばしば受ける。関心を持って下さったようで嬉しいが、やはり分かりにくかったかも。

しかし、ひとまず、看板を見て「何あれ?」と思っていただくことが、関心を持っていただく第一歩なのだ、とも思う。

貸出はまずまずの滑り出し。ドラマや映画の原作本も多いのが良かったかな。6月下旬終了予定。

3月26日(日)

コーナーが完成した時ふと思い立ち、NHK「サラメシ」HPの「みんなのサラメシ」に園田館長(当時は副館長)撮影の写真を添付して投稿する。「サラメシ」からの反応がなくて館長は寂しそう。私は「投稿はたくさんあるだろうから…」と、あまり気にせず。

この頃から、「おぉ、たくさん貸出されている」と実感。嬉しい。

6月上旬、「サラメシ」から連絡が

6月8日(木)

今日は木曜日。週に一度の愛知県図書館からの通函便が届く木曜日である。よって、相互貸借本の処理に大忙し。作業室で処理をしていると、利用者の方からCDの所蔵について問い合わせの電話が掛かる。
作業室でPCを検索しながら電話応対していると、2階事務室のGoさんから「(き)さんに、『サラメシ』のKさんとおっしゃる方からお電話です」と内線の電話がメインカウンターに掛かる。引き続いて利用者の方の電話応対をしつつ、「ん、投稿したのって3カ月くらい前??」と、思う。

利用者の方の電話応対後に折り返し電話をお掛けしたが、今日は忙しくて時間がないので、次の日に電話で30~40分程お話させていただく約束をする。

館長から、明日の電話が勝負だという話を聞く。そうなの?本当??

6月9日(金)

Kさんから電話があり、面接試験を受けたような気分になる。なぜなら、事務室で副館長さん、事務長さん、(た)さん、Goさんがいる中で話していたから。これはかなり恥ずかしい。
図書館で働きはじめたきっかけや、コーナーづくりについての話などを熱弁して、ノドがカラカラになる。疲れたぁー。ちゃんと話が出来ていたかどうか、心配。

この日は早番。帰宅した直後に、「前向きに検討したい」というお電話をいただいたそうである。
副館長さんが私の携帯に電話を下さったようだったが、まるで気付かず。日曜朝に出勤してきた後に知った。申し訳ない。
ちゃんと着信履歴をチェックしなくてはならないと思う。

6月11日(日)

Kさんから電話。来週の火曜日に図書館に直接取材に来ると伺う。話が進むのが早い!
電話で、津島駅から図書館への交通アクセスについて説明する。

館長から、自分で駅まで迎えに行ったほうが良かったのに、と言われた。そうなのか?
何せ、はじめての取材なので、分からないことばかり。

6月13日(火)

取材日。
初対面に緊張し、名刺交換する。Kさんが一泊の予定で取材に来ているとはじめて知り、驚く。
偶然にも、中学生の職場体験と取材が重なったため、慌ただしい。

今回、「取材」というものを初めて受けたが、基本的にずっと喋っているので、口が疲れる。
図書館では日頃静かに働いているので、喋り続けることに馴れていない。かつ、質問に答え続けるため頭もフル回転。カウンター業務やレファレンスサービスや選書、相互貸借業務についての説明のほかに、コーナー作りについての話をする。他の職員にも話を聞いていたようだ。

昼食を、館長と(い)さんとKさんの4人で食べる。Kさんはお弁当を召し上がっていた。
気候の良い季節には、昼食後によく天王川公園をウォーキングしているという話をしたので、昼食後に天王川公園をKさんとウォーキング。藤まつりが終わった天王川公園は呆れるほど長閑。まだ涼しい時期だが、歩くとかなり暑い……。だから、「気候の良い季節」限定のウォーキングなのだ。

図書館の仕事について色々と話しているうちに、このような毎日の仕事の話がはたして番組の題材として成立するのか心配になり、「大丈夫ですか?面白いですか??」と何度も確認してしまう。Kさん曰く、「サラメシ」の取材を受けた人によく訊かれるけれど、皆さんの日常の仕事も視聴者にとっては新鮮なことなので大丈夫です、とのこと。「そういうもの」らしい。

6月14日(水)

取材2日目。
Kさんは昨夜、蟹江のO温泉別館に泊まったそうである。なぜ名古屋でもなく一宮でもなく、蟹江町に!?
津島市民から考えると不思議なチョイスに、図書館職員一同、笑ってしまう。
そして、源泉かけ流しの温泉が55度もあって入れなかったという話に。「水を掛けながら入ってくれ」と言われたそうだが、無理だったらしい。
晩ご飯もコンビニ弁当で済ませたそうだ。

この日の取材は昨日の続きといった内容。他の職員にも詳しく話を聞いていたよう。
この日はKさん、昼食抜きで取材を続けていた。仕事熱心で感心するが、「サラメシ」スタッフなのにお昼抜きなんて!と驚く。

午後から、職場体験の中学生にブッカーを教える。取材から離れて、しばしノンビリとした時間のように思う。
この後、市役所に行くというKさんを館長が車で送り、そのまま東京に帰るそうである。
遠方からこのような田舎までお越しいただき、有難く思う。

6月16日(金)

いつもどおりカウンター業務をしていると、副館長さんから「津島市長が11時頃に『サラホン』コーナーを見学にみえるので対応をお願いします」と内線電話が掛かる。この日は、何もないと思って完全に油断していたので、ビックリ。

この日は、ゴーヤの苗を運んできた館長さん(休日の予定だった)を交えて市長さんとお話して、市役所HPの「市長フォト日記」に掲載する予定の2ショット写真を市長室の方(?)が撮影する。市長さんがみえることを知っていれば、もうちょっとマシな服装で来ていたのに。寝ぐせも直しておいたのに。
後日、改めて電話連絡があり、この日の写真は「市長フォト日記」だけでなく、「市長からのメッセージ7月号」にも載ることとなる。

6月20日(火)

撮影時に一緒に昼食を食べることとなった学生アルバイトの(み)さんに電話をする。(み)さん、たいそう驚いた様子。
ビックリした?私もビックリしっぱなしだよ。

撮影日

当たり前のことだが、大変に緊張している。
スタッフさんと対面。誰が何を担当する人はおいおい分かると紹介される。Kさんらしいザックリとした紹介だと思う。
撮影について説明していただくが、正直あまりよく分からない。流れに沿って動けばよいようである。

撮影開始

最初に図書館の外観の撮影。当初予定していた場所での撮影が諸事情で出来ず、図書館正面からの撮影となる。スタッフさんが明るさなどを計ってからの撮影。
館長が撮影の邪魔となりそうな障害物を移動してくださったが、そこは映らない位置だったので特に意味はなかったよう。

つづいて館内の撮影が始まる。
何を話したのか、あまり記憶がない。「一番好きな番組は『サラメシ』なんですよね」、という会話をしたことだけ覚えている。
この場面の撮影をした際に、館内ということで、あまり大きな声では話せず、音声がうまく拾えていなかったようで、この場面の撮影後は、トイレに行く以外はピンマイクを付けておくこととなる。ピンマイク、もちろん初めて付けました。

この後、コーナー作りについて、図書館の仕事についてなどをレファレンスカウンターや作業室PC前で撮影する。「私一人の撮影」なので物凄い緊張。カメラが顔の近くにあることに気づいて焦る。
途中、何度か「こちらを向いて話してください」とご指摘をいただく。プロの芸人さんやアナウンサーさんってスゴイな、と思う。

ここでは、かなり突っ込んだ内容の質問が多かったので、うまく話せているか心配になる。
食堂やレストランで働いている人たちが、お客さんがもりもり食べているのを好きなのと同じように、私は本を読んでいる人を見るのが好きなのだという話をした後に、「好きになる人は本が好きな人ばかりですか?」という質問をされ、笑ってしまう。そんなバカな!
……こんな話や、「私にとっての本はどんな存在か?」など色々な話をしたけれど、どの話が放送されるのだろうか?

他に、選書や新着本の検品作業をしているところも撮影。選書の場面を撮影している時に、私の文字を読むスピードが速いことが話題となる。
これは下読みの段階なので早いだけで、きちんと読まなくてはならない時や趣味の読書をする時には、このスピードでは読まないのだけど、これは伝わっただろうか?心配が多い。

この他に、2階の事務室では館長の案内で津島市立図書館の「お宝」を撮影していた模様。普段は見られない「お宝」を、たくさんの方に見ていただくチャンスなので、放送されるといいな、と思う。ちなみに、私も見たことがない。

津島市立図書館に、昼が来た!

いよいよ、お昼ごはんの場面の撮影。
さて、行こうとなった時、作業室で、カメラが私を待ち受けていてビックリ。そのまま密着されて2階へ行く。
事務室のドアを開けると、館長が驚いた顔をしていた。驚きますよね?私も密着されたままで階段を昇って事務室に行くとは知らされていなかったので、驚いていますよ、館長。

いよいよ撮影スタート。
エアコンの音をマイクが拾ってしまう、という理由で空調を切る。緊張のピーク。
この時にどのような話をしたかは、オンエアをお楽しみに♪

取材は利用者さんにも

引き続いて館内の撮影。
おはなし会の撮影では、私も立ち会っておはなし会を聞く。(あ)さん、気合入っているなぁ~。
おはなし会は、図書館を退職したOBも実は見学していて、いつもと少し様子が違う。いや、明らかに違う。おはなし会の参加者の方には、私が最初に少し話をして、Kさんが「サラメシ」ポロシャツを見せながら説明。参加者の方から歓声が上がる。
スゴイなぁ、私もそのポロシャツ欲しい。

その後は、カウンター業務の場面や、本の修理や返却の場面の撮影。撮影された利用者の方には「サラメシ」側が用意したチラシをスタッフが配布し、撮影の事情をスタッフさんが説明していた。
途中、以前に学生アルバイトとして図書館で働いていた(よ)さんに貸出・返却。(よ)さんは、社会人となった現在も常連の利用者さん。偶然の撮影となった。沢山の利用者の方に、撮影のご協力いただいて有難いかぎり、としみじみ思う。途中、ふと「あれ?ずいぶんと長い時間をかけて、利用者の方にインタビューしているな」、と気づく。

撮影終了、お疲れさまでした!

最後の質問をカウンターで受ける。
「たくさん利用者の方にインタビューをしたけれど、『サラホン』のタイトルが『サラメシ』から作られたタイトル名だと知っていた利用者の方が誰もいなかったけど、どう思うか?」という質問を受ける。え、そうなの!?
「もっと分かりやすいタイトルの方がいい」と言っていた方もいましたよ、とも。まぁ、これから頑張ります、はい。どうりで、長くインタビューしていると思った(笑)。このやりとりが放送されたら、ちょっと恥ずかしいなぁ。

閉館後、館長が熱望していた「撮影スタッフさんを交えての記念写真」を図書館前で撮る。Kさんとスタッフさんの帰りの新幹線の時間が迫っているので、少々申し訳ない。良い記念写真となっているだろうか、私も楽しみ。
その後、館長が記録として300枚も撮影風景を撮影したと伺って唖然とした。1ケタ多いだろう、と思う。

撮影後もまだまだ取材は続く

6月30日(金)

夕方、Kさんから電話があり、追加取材。司書資格についての話や、お弁当のおかずのトマトやリンゴについてなどを10分ほど。
司書資格についての説明はなかなか難しい。

7月1日(土)

この日は、たなばた会
無事に終了して一安心していた夕方頃、Kさんから電話。プレビュー(試写?)が無事に終了し、来週の金曜日に中井貴一さんによるナレーション収録があると教えていただく。いよいよだ、中井貴一さんっ!そしてKさん、プレビューお疲れ様です。

加えて、追加取材。お弁当のおかずについての話。(あ)さん、(み)さんも電話で追加取材を受ける。
撮影後、ずっと休憩室に置きっぱなしとなっていたアーモンドチョコレートは、Kさんがお昼ご飯かわりに食べたものを忘れていったものだと判明。Kさんは「サラメシ」のスタッフなのに、お昼ご飯が適当すぎるように思う。忙しい方なので仕方ないのか?

7月4日(火)

たなばた会のため土・日曜日に出勤したので、この日は代休。友人と栄で「大エルミタージュ展」を観て、買い物など。台風が近づいているので、早めに解散。その後、美容院に行って髪を切る。
ふだんはシフト上、月曜日休みの私が出来ないことが達成できて充実の一日だと思っていた時、タブレット端末へのメールと携帯電話の着信履歴に気づく。館長とKさんからである。しまった、メールが何通も来ている!いつもながら気付くのが遅くて、申し訳なく思う。

帰宅後、すぐに館長とKさんに連絡。味噌汁や好きな本についての追加取材と、放送日についての確認等をメールと電話で何度かやり取り。Kさんの好きな作家さんをはじめて知る。
ともあれ、放送日までは何かと慌ただしくなるのだ、と改めて思う。

7月5日(水)

館長の出張と私の代休が重なったため、館長と5日ぶりに会う。館内の掲示やこの日記の公開について話し合う。
この日から、館内2か所に放送予定日が書かれた掲示をする。メダカの水槽前での掲示を手伝っていただいた(は)さんに、もっと目立たせたほうがいい、もっとあちこちに貼ったほうが良い、とご指摘をいただく。場所が難しい。どこに掲示すればいいのだろうか?

午後、Kさんと電話。過去のコーナーを展示した期間について、調べてからメール連絡する約束する。図書館で確認して帰宅後、メール送信。

7月6日(木)

久しぶりの「おはなしにこにこ」、毎週木曜の相互貸借業務などで慌ただしい一日。
昨日の(は)さんとの会話を思い出して、やはりもっと掲示を目立たせてみよう!……と、館内入口のゲートとサラホンコーナーの真ん中に移動。
さて、効果は?

7月7日(金)

早朝、自宅でメールをチェックしていると、Kさんからメールが届いていた。過去のコーナーについての確認依頼。
図書館でファイルを見ないと返事が出来ないので、図書館から改めて電話を掛けると返信する。

午前中に、図書館からKさんに電話を掛けて追加取材を受ける。過去のコーナー担当については、忘れているものも曖昧になっているものも多く、電話でお伝えするのが難しい。
Kさんから、これから中井貴一さんによるナレーションの収録が始まると教えていただいた。その後、カウンター業務をしていても中井貴一さんの顔がチラチラ浮かぶ。

夕方、ナレーション収録が無事に終了したという報告のお電話をいただく。
Kさんもこの日のナレーション収録が終わると一息つく様子で、改めてお礼を言われる。図書館スタッフの皆にもお礼をお伝えくださいと言われ、恐縮。
こちらこそ、この図書館のことを熱心に考えて取材していただいて感謝しきり。

7月9日(日)

午前中、児童室でカウンター業務中、入口に掲示してあったポスターを見た利用者の方から「『サラメシ』に出るんですか?女房がいつも観ているんですよ、必ず観ますね。」と声を掛けられる。少々気恥ずかしいが、掲示の反応を聞いたのは初めてなので嬉しく思う。

7月11日(火)

夕方、Kさんから図書館に電話をいただく。今日の「サラメシ」放送後に、「サラメシ」の番組ホームページの次回予告が切り替わることを教えていただく。いよいよ来週かぁ……。だいぶ先だと思っていたのに、あっという間に放送日がやって来るように思う。

この日の閉館少し前から、津島市立図書館ホームページで「サラメシ」の放送日の告知スタート。同時に、サラメシ取材の裏話を紹介するこの日誌が公開される。さて反響は?

7月12日(水)

朝、自宅でメールチェックしていると、Kさんからメールが届いていた。昨日の確認作業の続き。図書館のファイルを見ないとわからないことだったので、図書館に出勤後に電話を掛ける。その時に、昨日から図書館ホームページで公開されたこの日誌の話題となる。

そこで、Kさんから「取材される側から見ると、スタッフはこんなふうに見えているのか、と知ることができて新鮮だった。」と言っていただき、少し嬉しく思う。他に、津島市長と2ショット写真を撮ったことなどは知らなかったので(そういえば話していなかったかも)、驚かれたことなどを話す。

ちなみにKさんは、文中の「Kさん」という表記を何度も見ていると、カフカの『城』を思い出すそうである。
カフカ……。図書館司書という仕事に就いているのだが、登場人物の名前が覚えづらく、外国文学は読んでない作品も多い。カフカの『城』も未読だったので、さっそく図書館で借りて読んでみることにする。
ちなみに、私は「K」というと夏目漱石の『こころ』に登場する「K」を思い出す。『こころ』の「K」は悲惨な最期を遂げてしまう「K」だが、カフカの『城』に登場する「K」はどんな人なのだろう?

この日、放送まで1週間を切ったので図書館入口の掲示をさらに目立たせるべく場所を移した方がよいのかな?と思い、閉館時に館長に相談。入口ゲートの真ん中に移動させる。これで図書館に入館した人は、必ず掲示に気付くはず!
昔の私は人並みに恥ずかしがり屋だったはずなのに、この頃はより多くの人に「サラメシ」を観ていただきたいと思うようになった。あの「恥ずかしい」という感覚は、今思えば何だったのだろう?歳を重ねるとは不思議なものだと思う。

7月13日(木)

この日は木曜日。相互貸借業務の日。愛知県図書館からの通函便の到着が遅くてやきもき。遅番だったので、7時ギリギリまで掛かって何とか作業を終えることができた。

館長とWeb担当のGoさんと3人で、今後の更新のタイミングなど裏話日誌の進め方について話し合う。とりあえず、3人揃う日曜日に日誌を更新することにする。放送後もきちんと更新していきたいと思う。頑張って書かなくては。

7月14日(金)

この日は(い)さんがお休みのため、久しぶりに新刊本の検品作業を担当。3個来るはずの新刊本の荷物のうち1個が届かず、運送会社に電話で問い合わせて残りの1個を届けて貰う。(い)さんがいない時に……、と少し焦る。

昨日ぐらいから、カウンターで「サラメシ」の放送について利用者の方に訊ねていただくことが多くなってきた。私自身も「どうして「サラメシ」の取材が来たのですか?」とカウンターで直接質問をいただいたし、お電話でも放送日の問い合わせがあったそうだ。掲示を目立つ位置に移動させた効果が出たのか?「サラメシ」の放送を一番観ていただきたかった図書館利用者の方に、少しずつ「サラメシ」のことが話題となっているようで嬉しい。

7月16日(日)

この日は早番。カウンターで、利用者の方に「『サラメシ』に館長出るの?」と尋ねられる。
「館長、出られますよ。」と答えると、「そうだよね~。」というお返事。う、「館長『も』」と言った方が正しかったかも。火曜日の放送を見ていただくと、私のこと気付くかなぁ。

この日の午後、この日誌の更新。7月12日に話題となった「K」について、館長は星新一の作品を思い出すそうだ。星新一……、教科書でよく読んだ作家さんで、懐かしい。

7月17日(月)

朝、朝日新聞の朝刊を読んでいると、明日のTV欄(明日は新聞休刊日)に「サラメシ」が紹介されていた。
「愛知県の図書館」についても書いてある。明日いよいよ放送なんだ、と改めて実感する。

館長に新聞のコピーを掲示するように指示を受けるが、なかなか朝日新聞のコピーが取れずに苦労。
家から持ってこれば良かったのだが、明日わが家でTV欄がないと困るし。
昼休みに猛暑の中を最寄りのコンビニまで朝日新聞を買いに出掛ける。暑い!

午後、朝日新聞のテレビ欄コピーを入口に掲示。2日間くらいの掲示予定なので、簡単な作りの掲示だが、目に留まるだろうか?
少し前から思っていたが、出演する人が自ら宣伝物を作成して、自ら掲示も貼り出しているのは珍しいことなのかもしれない。

午後、カウンターで男性利用者から「お、明日の主役はあなたなのですね?」と声を掛けられる。「どこで気付かれましたか?」と尋ねると「だってホームページに写真が出てるじゃないの。」と言われて、あぁそういえば、と気付く。そういえば、顔を出していたんだった。
さらに「丁寧な日誌も書いておられるし。」と有難い言葉をいただく。この日誌の反応を聞いたのは初めてなので、かなり嬉しい。書いていて良かった。

明日はいよいよ放送日だが、私はお休み。次の出勤は放送後の19日(水)。何だか、さすがにドキドキしてきた。

7月18日(火)

この日はお休み。久しぶりに自宅でのんびりテレビを観ていると、この日放送の「サラメシ」の予告が流れ、「アレンジです。」と話す館長の顔がアップで映る。わ、ビックリ!

館長に「今、テレビに出てましたよ!」と連絡すると、「もうダメだ、旅に出たい。」と弱気な言葉。
いやいや、旅は無理ですし、逃げないで下さい。そして、ちゃんと生でテレビ観て下さいね。

この日はさすがに放送当日なので、私の携帯電話、メール、家の電話、家族の携帯などで今日の放送について色々と聞かれる。「お休み」ではないような、慌ただしい一日。しかし、皆が楽しみにしてくれているようで、嬉しく思う。
私は、私がどう映るのかは勿論気になるけれど、周りの方達が楽しんでくださればそれでいいかな、と思う。そして何より、おそらく一生に一度の機会。楽しまなくては!

この日は早々に夕食、ウォーキング、お風呂を済ませて、いよいよ放送開始。
途中までは、ただ普通にテレビを観ている気分。ウィスキー樽工場の人、たくさん食べるんだなぁ~と思って観ていたが、この人達や家族の人も今ドキドキして観てるのかなぁ、と思うと、こちらまで緊張してきた。

いよいよ、図書館の順番となる。自分の顔をテレビで観るのは、かなり恥ずかしい。私って、思っていたよりも低い声だったんだな、と思う。想像していたよりも、長い時間1人で映り、喋っていたので驚く。撮影日に、こんなことを話したなぁ、と懐かしく思う。

いつもは10時頃に寝てしまうのだが、友人や親類からのメールの返信をしていたので寝るのが少し遅くなる。今日が無事に終わって、本当に良かった。心から思う。

「サラメシ」放送後。さて反応は?

7月19日(水)

放送後、初出勤の日。
利用者の方からの反応が気になるが、昨日が代休だったため、作業室で相互貸借本の発送準備作業をしていた。そのため、カウンターにはあまり立てず。ちょっと寂しい。
とはいえ、いつもおはなし会のボランティアや講座でお世話になっている(し)さんから声を掛けていただいた。おまけにこの日誌も読んで下さったそう。本当に有難い。

昨日、日野原重明さんが亡くなられたので、急遽追悼コーナーを出す。去年「アラハンに学ぶ。」コーナーを展開した時に、沢山の本を紹介させていただいた恩のある方。追悼の思いを込めてコーナーを作成する。
追悼コーナーに本を並べていると、利用者の方に「サラメシ」のことを話し掛けられる。とはいえ、よくよく話を聞いてみると「明日の再放送、観るよ!」とのこと。まだ観ていなかったのですね。明日、忘れずに観ていただけるよう願うばかり。

午後は作業が終わったので、少しカウンターに立つことが出来た。利用者の方から「昨日、観てましたよ。」と声を掛けられる。利用者の方の声は、本当に有難いこと。
ちなみに、お掃除の方や市役所のYさんからは「年齢が出ちゃいましたね!」と言われた。少し前に誕生日を迎えたばかりで、撮影日より1つ年齢が上がってしまったのが惜しまれる。まぁ、あまり気にしてないけれどね、本当に。

夕方、Kさんからお電話をいただく。今日もKさんはお忙しそう。
改めて昨日の放送のお礼を伝える。Kさんからも、逆に「ご協力いただき有難うございました。」と言われてしまい、恐縮する。いえいえ、本当に有難うございました。また、本を利用して調べたいことがあれば気軽に連絡下さい、とお伝えする。

今日、この地方も梅雨明け。いよいよ夏休みが近づき、図書館が一番忙しい季節を迎える。こうして季節は過ぎていくんだな、と思う。

7月20日(木)

昨夜、帰宅後に高知県の親戚から自宅に電話があり「テレビ観たよ。トマト好きなんだって!近いうちに高知県産のトマト送るね。」と言われる。実はこの日、(は)さんからミニトマトをいただいており、さらに退職した先輩からも「今度トマトあげるよ~」とメールをいただいた。
放送でも話していたように、トマトは大好きで幾らでも食べられるので、とても有難い。トマトパーティーが出来るかも。

そういえば、昨日はもう一つ嬉しかったことがある。看護師をしている従姉妹から「夜勤だったので生では観られなったけど、今観たよ。私も仕事頑張ろうと思った。」というメールが届いたことだ。仕事熱心な従姉妹からの言葉ということもあり、ちょっと泣きそうなくらい感動してしまった。

書き忘れてしまっていたが、昨日のKさんが電話で「僕、これからもっと図書館を利用しようと思いました。」と話してくださったことも嬉しかった。「サラメシ」で図書館を取り上げるのは初めてと伺って以来、本当に私で良いのだろうか、とずっと考えていた。図書館や本への距離を少しでも近づける役に立ったのであれば、本当に嬉しく思う。

今日は木曜日なので、相互貸借業務の日。先週とは異なり、愛知県図書館からの通函便の到着が早く、2時頃には作業が終わる。この日のお昼に「サラメシ」の再放送があったこともあり、カウンターで「『サラメシ』観ました」と何度か声を掛けられる。
先日も書いたが、利用者の方から直接いただく言葉が一番有難い。

この日は、電話での問い合わせも幾つかいただいた。九州の高校からは、高校で仕事についての本の特集をしたいのでリストをいただけるかという問い合わせ。学校図書館で「サラホン」を紹介していただけるなんて嬉しいこと。

また、「サラメシ」放送の中で、私が話していた本を知りたいという問い合わせを幾つかいただいたので、ここでも簡単に紹介を。

  1. 原画展を観に行ったほど好きな絵本
    ・・・安野光雅作 『旅の絵本』(1)(8)
  2. 子どもが電車に乗って冒険する絵本
    ・・・林明子作 『こんとあき』
  3. 大きな賞を取ったことが新聞に載っていたので、家から新聞を持ってきた絵本
    ・・・青山邦彦作・北川央監修 『大坂城 絵で見る日本の城づくり』(受賞した賞は、講談社出版文化賞・絵本賞)

もうひとつ、私が好きな本として挙げていた本は、

『円紫さんと「私」シリーズ』の4巻目にあたる本で、私と同じように本が好きな女性が主人公の小説。作中の忘れられない一節は、今でも諳んじられるほど大切な一冊。手に取っていただければ、これほど嬉しいことはない。
できれば、第1巻『空飛ぶ馬』から読んでいただいて、主人公「私」の成長を追いかけていただくのがオススメ。90年代、もしくはそれ以前に学生時代を送った人なら、懐かしさも感じると思う。

7月21日(金)

今日から夏休み。朝から館内では子ども達の元気な声が聞こえて、やや賑やか。
カウンター業務中に何度か「サラメシ」を観た方に声を掛けられる。

どういう経緯で「サラメシ」に出たのですか?という質問をよくいただくが、なかなか一言で表現出来るものではなく「サラホンのコーナーを作った時に『サラメシ』に投稿したら採用されたのです」と、ごく簡単な説明をさせていただく。出来れば、この日誌を読んでいただけると有難い。

ちょっとだけ嬉しかったのが「テレビで見るより、顔が小さいんですね。」の声。テレビでは膨張して映っていたみたい。
「本当に図書館で会うとは驚きました。」という声もいただく。いつもと同じようにカウンター業務をしているので、見かけたら気軽に声を掛けて下さい。
ほかにも、他県から明日・明後日の天王祭の観光でみえた方が、「サラメシ」を観て図書館を訪ねてきて下さったり、と恐縮することばかり。なかでも、一番嬉しかったのは小さなお子さんから「テレビで観た人だ!」と言われたこと。ご家族で観ていただいたようで、心から嬉しく思う。

書き忘れていたが、「サラメシ」の放送で一つ訂正を。
「サラメシ」では、「サラホン」コーナーは7月いっぱいと紹介されていたが、好評につき8月上旬まで展開することに。まだまだ続くので、よろしくお願いします。

明日は、天王祭開催に伴う臨時休館なので、この日誌もお休み。
今日の午前中に、館長とこの日誌の最終回について少し話し合う。良い終わりを迎えられますように。

7月23日(日)

裏話日誌を読んで下さった皆様へ。今回の更新にて「サラメシ」舞台裏日誌は最終回となります。これまで、お付き合い頂き、ありがとうございました。この日誌は「サラメシ」取材を受ける中で、一生に一度の貴重な体験となる今回の取材を記録として残しておこうと思い簡単なメモを書いていたことからはじまりました。その中で、この「サラメシ」取材の舞台裏を多くの人に紹介してみてはどうだろうか、と思い立ち、館長に相談したことから、ホームページ上での日誌公開の運びとなりました。この日誌を書くことで、私も今回の取材を客観的に見つめることができ、「サラメシ」取材を楽しむことができたように思います。また、取材を通じて図書館司書という仕事や自分にとって本とは何か、などを改めて考える機会を頂いたことを、心より感謝しております。今後は、一公共図書館の司書として、皆さんと本をつなぐ役割を少し手も果たすべく、精進を重ねていきたいと思います。
今回の取材では、お世話になりっぱなしだった「サラメシ」の「Kさん」。これからも一視聴者として「サラメシ」を楽しみにしています。お忙しいと思いますが、出来れば昼食はきちんと食べて頂きたいと願いつつ、ご活躍を楽しみにしております。カフカの「城」、年内には読みますね。文章の添削でもお世話になり、日誌にも沢山登場して下さった館長、同僚、そして津島市立図書館利用者の皆様、ありがとうございました。最後に、毎日お弁当を作ってくれる母にも、この場を借りてお礼の言葉を伝えます。「いつも、ありがとう」。裏話日誌は今回で最終回ですが、「図書館だより」日曜日担当としては、今後も身辺雑記を書く予定ですので、よろしくお願いします。皆さんに、本との良い出会いがありますように。そして、図書館が本との出会いのお役に立てれば、これほど嬉しいことはありません。津島市立図書館(き)こと木村育代

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